今年のGW。
例年通りの青森行きだったけれど、例年とは全く違う、私の人生を変える一日を過ごすことができようとは、GW数日前までは思ってもいないことだった。
15年前に別れた娘。
13年前に最後に会ったっきり、一度も連絡すら取り合っていなかった娘。。。
5月4日。。。
その娘と遂に再会することができたのだ。
娘とは15年前から別れて暮らすようになった。最後に会ったのは13年前。
私が引っ越して遠く離れてしまう直前だった。
娘の名は「かすみ」。かすみ草のかすみだ。
その娘がなんと去年の夏に孫を産んでくれた。まだ19歳だというのに。。。
突然のできちゃった婚。
目の前で起きた出来事ではないのに、突然のニュースにかなり焦ったのは今でも忘れない。
妊娠を聞いたのも、出産を聞いたのも、孫の写真を貰ったのも全て元旦那から。
出産前と出産後には贈り物をしたが、それも元旦那に送った。
贈り物は「母親から」と伝えてくれていたらしいが、元旦那も娘に遠慮していたのか、私の連絡先はずっと教えていなかった。
私は「母親から」だと分かっていて、受け取ってもらえただけで十分だった。
「喜んでいた」とは聞いていたけれど、かすみがどんな顔で受け取ったのか……それを想像するのも怖かった。
会ったことのない、たった一枚の写真でしか見たことのない孫。
それでも孫はやっぱりとても可愛い。
「会いたい」「抱きたい」とは思わないようにしていたが、ずっと縁のなかった赤ちゃん用のものが目に付くようになった。
そんなある日。。。
スポーツ用品売り場に並んでいた、赤ちゃん用のスニーカー。
小さくてとっても可愛くて、孫に買ってやりたくなった。
「また元旦那に送ろう」と思って買った。
が……何故かなかなか送れなかった。
もう受け取ってくれるのは分かっているのに、でも、なんだか理由もなしに物を送るのが怖かった。
そうこうしているうちに2ヶ月が経った。
気づくとかすみの誕生日の目前だった。
「これを口実に送れるかな」と思いつつ……かすみの誕生日を迎えてしまった。
いつまで持っててもしょうがない。孫が大きくなっちゃうよ。。。
節目のハタチの誕生日。
大人になったこと、お母さんになったこと……「おめでとう」ってきちんと伝えたかった。
「ええい!」と思い切った。
かすみに初めて手紙を書いた。
破られて元々。捨てられて元々。読んでくれたらもうけもの。。。
そんな気持ちだったが、それでも今の気持ちを素直に書いた。
せっかく書くのだから、上手く取り繕うのも嫌だったので、今の状況も素直に書いた。
「貴方には8歳年下の妹が居ます。妹は青森にお姉ちゃんが居ることを小さい頃から知っています。まだ見ぬかすみお姉ちゃんに憧れています。この子に罪はありません。いつか会いに行ったら、どうぞ受け入れてやって下さい」
と書いた。
今度いつ、かすみと連絡が取れるか分からない。
手紙の一番最後には
「貴方が本当に困って、どうしようもない母親でもいいから頼ろう、という状況になったときは、いつでも遠慮なく連絡して下さい」
と私の連絡先を書いておいた。
荷物が届いた旨、元旦那からメールが来た。
「喜んでいた」というメールに、とにかく受け取ってくれたことを喜んだ。
その翌日……
私の携帯が鳴った。見知らぬ番号だった。
電話はかすみの旦那からだった。
かすみは恥ずかしがって電話に出られないと言っていた。
「会いに来てやって下さい」
と予想だにしない言葉が受話器から聞こえた。
私は泣いて泣いて言葉にならなかった。
その電話をもらったのがきっかけで、このGW、念願の再会を果たすことができた。
最後には見たのは小学一年生。
ハタチに成長した娘……どんな風に成長しているんだろう?
どう想像しても私の中には小さなかすみしか居なかった。
でも、一目見てすぐに分かった。
会いたかった、触れたかったかすみ。。。
何度も何度もこの日を夢見た。
でも本当にこんな日が来るなんて思ってもいなかった。
すぐに抱きしめた。ずっと抱きしめていた。
「ごめんね」「苦労させたね」「ありがとうね」
胸の中にあった言葉を言い続けた。
かすみは泣きながらただ首を横に振るだけだった。
この日、一緒に居たのは2時間足らずだった。
お互い緊張してしまって、なかなか思うように話ができなかった。
でも、なんだかそれで十分だった。
幸せそうな顔を見て、幸せそうな家族を見て……。
かすみの笑顔を見ることができて私はもう何も言うことはなかった。
そして最初に電話を貰ったとき、有難いことに「妹さんも一緒に」と言ってもらったので、ぴーもお姉ちゃんと甥っ子に会うことができ、なんだかいっぺんに願いが叶ってしまった。
この日から毎日かすみとメールのやり取りをしている。
13年の穴を埋めるように、かすみが生まれたばかりのこと、最近のこと、家族のこと、仕事のこと……
様々なことを何通も何通もメールのやり取りをして話をしている。
一度、ぴーに聞いてみた。
「お母さん、毎日お姉ちゃんとメールのやり取りしているとイヤ?」
そしたらぴーは
「全然イヤじゃないよ。だってぴーは毎日お母さんと一緒に居られるけど、かすみお姉ちゃんはずっとお母さんとお話できなかったんだもん。話さないと分からないでしょ?」
二人の娘とも、なんて優しい子に育ってくれたんだろう。
ありがとう、ありがとう。
罪深い母親がこんな幸せな気持ちになれて本当にいいんだろうか……と思うくらい、今、幸せな気持ちでいっぱいだ。
かすみへのメールに
「突然お母さんが現れたって、お母さんなんて思えないよね。
いいよ。何でも話せる友達が一人増えたって思ってくれたら」
と書いた。
「お母さんのことは、お母さんって思ってるよ」
最高の言葉だった。
別れ際にした約束。。。
「今までの罪滅ぼしをさせてね。」
お母さん、ますます頑張らなきゃね。うん、頑張るよ!
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